同社は顧客基盤の拡大と「生涯顧客」の育成を成長の柱としています。実際には累計保有顧客数を2022年の約840万人から2024年に約1,060万人へと着実に増やしており、商品点数も損害保険分野だけで2022年の約314点から2024年に約352点へ増加させています。今後は若年層（2024年の生命・医療保険購入者の平均年齢は35.1歳）を主ターゲットに、オンラインとオフラインを組み合わせた販売で継続的な契約・再購入を促進することを目指しています。

同社は重点的に人材とチャネル、商品差別化に投資しています。保険コンサルタントや営業・顧客サービス、商品管理、研究・技術といった機能に配分された人員を基盤に、全国16省をカバーするオフラインチームと自社プラットフォームを連携させています。差別化策としては、専門研修を受けた若手コンサルタントが垂直型の商品データベースや行動解析を使って、顧客の閲覧履歴やプロフィールに基づくポートフォリオ提案やシナリオ別の設計（例：旅行保険のシーン別カスタマイズ）を行い、分かりやすい図解や事例で商品理解を支援しています。

新市場開拓と事業拡大では、海外M&Aやチャネル協業を通じたプレゼンス強化が目立ちます。2024年9月にベトナムのインシュアテック企業Global Careの過半数取得（71.73％保有）を完了し、デジタル変革サービスの取り込みと東南アジア展開を加速しています。国内では保険会社との共同ブランディングやユーザートラフィックチャネルとの提携を深め、商品ラインナップの拡充と顧客接点の多様化で売上拡大を狙っています。

技術革新への取り組みとしては、プラットフォームの高度化とデータ分析基盤の強化を掲げています。研究・技術部門には約104名（2024年時点）を配置し、垂直データベースや顧客行動トラッキングを活用したレコメンデーション機能を整備しています。一方で財務報告面の統制強化にも注力しており、米国会計基準（U.S. GAAP）対応の人材採用や継続的な研修、内部統制フレームワークの構築を進めているため、同社は技術とガバナンスの双方で事業基盤を強化することを目指しています。

	2020/12	2021/12	2022/12	2023/12	2024/12
Return on Assets	-0.3	-1.1	-0.3	6.9	0.1
Return on equity (%)

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