同社は貸出と投資ポートフォリオの拡大を通じて収益成長を図ることを成長戦略の中心に据えています。総資産は2023年の約77.1億ドルから2024年に約87.3億ドルへ拡大し、投資ポートフォリオも2024年末で15億ドルに達しました。こうした資産成長は、主にフィンテック由来の預金や手数料収入で賄う方針で、安定した預金を原資にローンと有価証券を増やすことで純金利差と手数料収入の改善を目指しています。株主還元では自社株買いを優先しており、2021〜2024年にそれぞれ4,000万ドル、6,000万ドル、1億ドル、2.5億ドルの買い戻しを実施し、2025年は最大1.5億ドルの買い戻し枠を計画しています（配当は支払っていません）。

同社は重点投資分野として、プリペイド・デビット等のカード関連預金と決済処理事業、アフィニティ（会員）向けのプライベートラベル銀行サービス、ならびにニッチな専門貸出（証券を担保とする貸出、商業不動産の短期ブリッジ貸付、SBAローン、リース等）を掲げています。これらは他行と比べて既存組織の会員基盤に「スポンサード」される形で顧客を獲得する点が差別化要因であり、顧客獲得コストの低減や安定した預金獲得につながることを狙っています。同社は多くの基幹業務を外部ベンダーに委託しており、これにより処理能力を迅速に拡大できる点を強みとしています。

新市場や事業拡大では、2024年に消費者向けフィンテック貸出（担保付きカードローン、固定期間ローン、給与期日前貸付など）を開始し、クレジットスポンサーシップによる貸出提供を行い始めた点が注目されます。さらに同社は随時M&A機会を評価しており、買収による成長も選択肢として検討しています。ただし成長管理の難しさや規制コスト、集中リスクへの対応が必須であることを認識しており、資本・リスク管理を優先しながら拡大を進める方針です。

技術革新では、ウェブ技術とクラウドを組み合わせた階層的なシステム設計と、データセンター間やクラウド間の複製による冗長化で可用性を確保しています。サイバーセキュリティ面では、米国国立標準技術研究所（NIST）のフレームワークやCISの管理項目、ISO規格に整合させたプログラムを運用し、PCI認定も取得しています。同社は定期的な侵入検査や脆弱性診断、データ漏えい防止、監視・ログ管理、対外委託先の管理や従業員教育といった具体的施策に投資しており、安全性と拡張性を両立させることでオンライン中心のビジネスを支えることを目指しています。

Bancorp, Inc.TBBK

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経営方針