同社は資産残高に依存する手数料収入を基礎に着実な成長を図っています。2024年末時点で運用資産は約3,902億ドルに達しており、この規模を背景に資産連動型の収益拡大を目指しています。また、顧客の現金管理ニーズからの収益多様化にも取り組んでおり、2023年12月に立ち上げた「SEI Integrated Cash」プログラムは2024年に投資助言部門へ5,150万ドルの収益をもたらしました。株主還元面でも積極的で、取締役会は自社株買い枠の拡大を行い、2024年は約684万株を買い戻すなど配当と買戻しで資本効率を高める方針です。

同社は技術と運用を一体化したサービスで差別化を図っています。フロントからバックオフィスまでを一貫提供する独自プラットフォーム「SEI Wealth Platform（SWP）」や前身のTRUST 3000を中核に、モデルポートフォリオ、直接インデックス、要因型戦略、税効率化や代替投資の運用ノウハウを組み合わせた商品群を提供しており、投資マネジメントと業務代行を組み合わせて手数料を得るビジネスモデルが特徴です。事業構成は投資マネジャー34％、プライベートバンク26％、投資助言24％、機関投資家13％といった比率で収益を分散させています。

新市場開拓や事業拡大では、機関投資家向けにグローバル展開を強化し、従来の確定給付年金の減少を補う形で確定拠出や非営利組織への fiduciary（受託者）管理ビジネスを重視しています。銀行や信託向けには長期契約（一般に5〜7年）で安定収益を目指し、2024年末時点でSWPのサイン済み顧客は約80行・アドバイザー、TRUST 3000の関係先は37行を有しています。成長のためには買収も選択肢として用い、LifeYield（買収金額2,900万ドル＋業績連動の追加対価）やAltigoなどの買収で税効率化・代替投資や代行機能の拡充を進めています。

技術革新については自前のプラットフォーム強化、業務の自動化、クラウド移行、サイバーセキュリティ強化に継続的に投資しています。SWPやSEI Novus、SEI Sphereといった製品の機能拡張やモジュール化により、顧客ごとの連携や外部システムとの統合を進めるとともに、LifeYieldの統合で税最適化された「世帯単位」の運用機能を取り込みました。一方で新商品開発やクラウド基盤の導入には時間とコスト、実装リスクが伴うため、同社は段階的な投資と既存顧客の同意取得を重視して実行しています。

	2011/12	2012/12	2013/12	2014/12	2015/12	2016/12	2017/12	2018/12	2019/12	2020/12	2021/12	2022/12	2023/12	2024/12
Return on Assets	15.5	16	21	21.4	21.2	20.7	23.2	26.5	24.3	20.7	24.2	20.1	18.9	22.3
Return on equity (%)

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