同社は世界市場の成長機会を取り込み、持続的な拡大を図ることを成長戦略の中核に据えています。外部調査では世界の矯正市場が今後数年で大きく拡大するとの見通しが示されており、同社はこうした追い風を受けて海外売上高比率の大幅な上昇を目指しています。直近では海外売上高比率が約4.9%に留まっていますが、現地法人の設立や大学等への公式サプライヤー登録を通じて米国市場などでの販売チャネル強化を進め、取引歯科医療機関数や1施設当たり売上高を主要な管理指標として業績拡大を図っています。

同社は製品品質と高付加価値サービスへの重点投資で差別化を図っています。国内で内製化した高精度の矯正歯科技工物（100種類以上の対応実績）に加え、口腔内スキャナーや3Dプリンターなどデジタル商材の仕入販売、セミナーや修理といった支援サービスを組み合わせることで、一般開業医（GP）にも導入しやすい総合的なソリューションを提供しています。品質向上のために作業工程の機械化・標準化を進めるとともに、協力パートナー網（国内外約47拠点を含む）を活用して供給力を安定化させています。

同社は海外展開を加速するための具体的な体制整備を進めています。2024年4月にASO INTERNATIONAL USA, INC.を設立し、カリフォルニア大学サンフランシスコ校やテキサス大学ヒューストン校、ボストン大学など複数の大学で公式サプライヤーに登録済みです。製作拠点としてフィリピンのASO INTERNATIONAL MANILA, INC.を強化し、海外従業員は3社合計で300名超に達している点を活かして、米国を中心とした販売チャネル拡大と生産の国際分業により海外売上比率の向上を目指しています。

同社は技術革新を成長の推進力と位置づけ、デジタル化と人工知能の活用に注力しています。具体的には、正常な歯並びを仮想的に再現する仕組みをAIで構築し、歯科医療機関とのデータ連携をクラウド基盤で実現する開発を進めています。さらにマウスピース型矯正装置「AsoAligner DIGITAL」の適応拡大や、顧客ニーズに応じた複合的な治療パッケージの開発を進めることで製品の競争力を高め、同時に人材育成プログラムや作業工程の自動化で生産性向上を図り、経営指標である売上高営業利益率の改善を目指しています。

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