同社は成長戦略の中心にD2Cブランドの拡大と定期購入による継続収益の安定化を据えています。現在、売上高の約6割がスキンケアブランド「Yunth」に由来し、そのYunthの自社EC売上がさらに約6割を占める構造になっているため、定期会員数の獲得と継続率の向上を重要業績指標として経営を進めています。国内のスキンケア市場（約1.3兆円）や美容・健康家電市場（約3,922億円）といった十分な市場規模を背景に、既存チャネルでの販売拡大とともに中長期的なグローバル展開も模索しており、安定的な収益成長を目指しています。

重点投資分野はAIを核としたマーケティングと商品開発、そしてサプライチェーンの強化です。自社開発のAIシステム「SELL」を活用して広告クリエイティブの自動生成や広告運用の自動化、販売データを基にした商品企画を行うことで、ヒット商品の創出と広告投資の効率化を図っています。加えて製造委託先の品質管理や物流体制の強化、製造拠点の分散化を進めることで供給安定性を高め、差別化の一端として「データ駆動で速く・安定して売れる商品を作る」体制を構築しています。

新市場開拓や事業拡大の具体策としては、既存の自社EC、ECモール、店頭卸という三チャネルを同時に強化し、店頭販路の拡大や卸販売の強化でリーチを広げています。実績として全国約10,232店舗での展開や、主力商品で延べ500万個超の出荷実績があり、これを基礎にブランドごとのラインナップ拡充や第三のブランド育成にも積極投資しています。加えてM&Aを成長エンジンと位置づけ、買収によるチャネル獲得や技術・人材の取り込みを通じて事業規模を一気に押し上げる方針です。

技術革新への取り組みでは、「SELL」を中心に広告、需要予測、顧客対応、CRM施策まで一気通貫でデータを活用することで再現性のある商品開発と効率的な顧客育成を目指しています。具体的には購買履歴と広告反応を結び付けた顧客セグメントの設計、需要予測による発注と在庫最適化、休眠顧客の掘り起こしといった施策を実行しています。同社はこのAI基盤を差別化の中核とし、研究開発やデータ人材の採用、情報セキュリティや内部管理体制の強化を継続的に行い、持続的な競争優位の確立を目指しています。

	2023/03	2024/03	2025/03
Depreciation & amortization	2	7	38
Cash from operations	11	900	1,314
Capital expenditures	-4	-39	-254
Cash from investing	0	-90	-157
Repurchases of common stock	-	-	-0
Proceeds from issuance of term debt, net	350	600	313
Repayments of term debt	-242	-331	-419
Cash from financing	167	973	-143

Ai ROBOTICS INC.JP:247A