IREN Ltd（以下、同社）は成長戦略としてデータセンターと演算能力の拡大を柱に据え、ビットコインマイニングでのハッシュレート増強と収益源の多様化を同時に進めています。同社は既存の設備を活用して収益基盤を強化するとともに、高性能計算（HPC）やAIクラウドサービス分野への転換・拡大も目指しています。資金調達面では、公開市場での売出し契約（Sales Agreement）を通じて既に約1億8000万株（108,063,868株）を売却し総額約7億7143万8千米ドルを調達しており、今後も追加の登録・売却で成長資金を確保する計画です。

重点投資分野はデータセンター施設の増強、電力インフラの整備、ならびにマイニング機器やGPUの確保です。同社はASICマシンの長期購入契約（例：Antminer T21に関する契約）や、既に稼働中の816基のNVIDIA H100 GPUを保有する実績を活かして機器調達と安定稼働に投資しています。これにより、単なるビットコインマイニング企業ではなく「マイニングとHPCを両立するインフラ事業者」として差別化を図っており、電力効率や冷却設計、立地選定など施設運営面での優位性を追求しています。

新市場開拓では、同社は既存・将来のインフラを用いて科学研究やレンダリング、機械学習といった用途向けのHPCソリューションおよびAIクラウドサービスを提供することを計画しています。事業拡大の手段としては設備投資に加え、適切なターゲットの買収やジョイントベンチャーの検討も行っており、顧客要件に応じた既存データセンターの改修や新施設の建設を視野に入れています。ただし、こうした拡大には追加資金調達、機器調達のタイミングやコスト、規制対応といった制約があり、計画は市場環境を踏まえて柔軟に見直される可能性があることも明示しています。

技術革新への取り組みは、当面は機器更新とインフラ最適化が中心です。同社はH100など最新GPUの導入を進める一方で、冷却や電気配備の最適化、老朽機器の入れ替えによる性能維持にも投資しています。研究開発はこれまで大規模ではなかったものの、HPC事業の拡大に伴いソフト・ハード両面での技術的対応が重要になるため、今後は製品設計やサービス化に向けた技術投資や外部パートナーとの協業を強化する方針です。これにより機器の陳腐化や供給制約といったリスクを管理し、競争の激しい市場での競争力維持を図っています。

	2022/06	2023/06	2024/06	2025/06
Depreciation & amortization	-	-	-	181
Stock-based compensation	-	-	-	43
Cash from operations	22	6	53	246
Capital expenditures	-84	-116	-142	-573
Cash from investing	-318	-71	-498	-1,380
Cash from financing	372	28	782	1,295
Free cash flow
FCF margin (%)			-

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