同社は長期的な成長と株主価値の向上を目指しています。事業の中心は肝臓への原発・転移性がんを対象としたインターベンショナル腫瘍治療で、既にCHEMOSATは欧州等の一部地域で、HEPZATOは米国で承認を得ており、これら製品の商業化による収益拡大が当面の目標です。資金面では、2024年8月に有効化されたサーフェス登録により最大1億5,000万ドルまでの公募が可能であり、2024年3月の私募で約700万ドル、過去のATMによる売出しで約400万ドルを調達するなど、外部資金を活用して成長投資を行う方針です（参考：2024年6月30日時点の非関連株主保有時価総額は約2.06億ドル、発行済普通株式は約3,340万株／2025年2月末時点）。

同社は商業化・製造・研究開発を重点投資分野としています。ニューヨーク州クインズベリーに本社（約10,320平方フィート）を保有し、製造・品質管理・研究開発用の施設（約6,000平方フィート所有、約18,000平方フィート賃貸）を運用しているほか、アイルランドにも事務・製造用のサブリース施設（約2,409平方フィート）を有しています。人員面では従業員約96名（米国82名、欧州14名）を抱え、製品の差別化は「肝臓領域に特化した治療法」による専門性と、地域ごとの承認・商業化を通じた市場浸透で図ろうとしています。

新市場開拓と事業拡大では、既存の承認地域での市場浸透と併せて追加の規制承認や適応拡大を目指しています。同社は資本市場を通じた資金調達（私募、ワラント、ATM、サーフェス登録）と、採用・報酬制度（2020年包括的株式報酬制度で計7,125,000株を留保、うち約2,343,767株が未発行、2023年誘因プランで650,000株留保）を組み合わせ、人材確保と現地販売体制の強化で海外展開を図っています。過去の貸付契約は整理済みで、財務構造の整理と追加資金による営業基盤の拡充を進める計画です。

技術革新への取り組みとしては、研究開発と品質管理への継続投資を掲げています。クインズベリーの研究開発・製造設備を活用し、臨床的裏付けと規制要件を満たすための開発活動を継続しているほか、経営陣は統合粗利益や純損益といった財務指標で業績を管理し、内部統制（COSO基準に基づく評価）やサイバーセキュリティ対策を整備することで事業継続性と技術資産の保護にも注力しています。

	2012/12	2013/12	2014/12	2015/12	2016/12	2017/12	2018/12	2019/12	2020/12	2021/12	2022/12	2023/12	2024/12
Return on Assets	-32.4	-14.2	-9.7	-25.8	-70.5	-87.2	-244.4	-84.3	-98.9	-75.7	-143.2	-168.8	-45.8
Return on equity (%)						-	-	-

DELCATH SYSTEMS, INC.DCTH