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QUANTA SERVICES, INC.PWR
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事業内容
Quanta Services, Inc.は電力・ガス、再生可能エネルギー、通信、パイプラインなどのインフラ向けに、設計から調達、建設、改修、保守・修理までを一貫して行う総合サービス会社です。同社は送配電網や変電所、風力・太陽光・蓄電施設、データセンター向け電気設備、パイプラインや下流処理施設など幅広いインフラ工事を手がけています。米国を中心にカナダやオーストラリアなどでも事業を展開しています。
同社の収益構造は電力・公益事業顧客が中心で、直近では約74%を占め、エネルギー関連(精製所やパイプラインなど)が約17%、技術・製造・通信関連が約9%です。多くの仕事はマスターサービス契約や長期のメンテナンス契約、固定価格や単価契約を通じて受注し、主要顧客とは戦略的アライアンスや優先供給の関係を築いています。
事業は地域ごとに独立した運営会社群が担当し、熟練作業員と自社保有の車両・重機を使った現場施工を重視しています。具体的には送配電工事、変電設備、再エネ施設の建設・接続、パイプライン工事、通信・データセンター向け電気工事、保守・修理、さらに重要部品(変圧器等)の一部製造といった製品ラインで構成され、顧客の多様なニーズを一括で引き受けられる点が同社の強みです。
経営方針
同社は持続的な売上成長と株主還元の両立を目指しています。事業成長は主に買収と既存顧客への深掘りで進めており、2024年は複数の買収が寄与して売上と営業利益が増加しました。株主還元では取締役会が2023年に上限5億ドルの自社株買い枠を承認しており(有効期限は2026年6月30日まで)、また2018年第4四半期以降、四半期配当を継続している点も特徴です。顧客構成は公益・電力分野が約74%、エネルギー関連が約17%、技術・製造・通信が約9%を占めており、これらの分野で長期のプログラム案件を取り込むことを目標としています。
同社は電力インフラ、再生可能エネルギー、送電・変電、データセンター向け電気設備などに重点投資を行い、幅広いサービス提供を差別化要因としています。自前の保有車両・重機のフリートは約77,000台規模で、需要に迅速に対応できる建設機材と整備能力を持っています。加えて変圧器などの主要機器を社内で製造する能力や、顧客ごとの優先業者(プレファードプロバイダー)や戦略的アライアンス契約を活用して、入札や大口案件での競争優位を確保することを目指しています。
同社は新市場開拓と事業拡大を買収と地域・業種の横展開で進めています。2024年には複数の買収を実行し、そのうちクパチーノ・エレクトリックの取得(2024年7月)では識別可能な無形資産が約6.69億ドル計上され、顧客関係だけで約4.04億ドルが評価されました。買収は迅速な能力獲得と顧客基盤拡大に有効ですが、統合コストや既知・未知の負債、競合による入札競争、独占禁止当局の審査等のリスク管理も重要課題として対処しています。将来的には米国・カナダ・オーストラリアを含む既存地域での案件獲得に加え、隣接する業種への進出を通じて事業の幅を広げることを目指しています。
同社は技術革新にも注力しており、稼働中の設備を安全に扱う「活線工法」に代表される独自工具や施工技術、プロセス改善に投資しています。サイバーセキュリティ面ではインシデント対応計画と運用センター(SOC)を整備し、外部専門業者や従業員教育、第三者リスク管理、サイバー保険も組み合わせてリスク低減を図っています。これらの技術・運用面での取り組みは工期短縮や稼働率向上、顧客の信頼獲得につながる差別化策として位置づけられており、同社はこれらを通じて効率的かつ安全なインフラ構築を目指しています。