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EMCOR Group, Inc.EME
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事業内容
EMCOR Group, Inc.は米国拠点の大手スペシャリティ工事業者で、電気・機械の建設工事や施設の保守・管理、製油所や化学プラント向けの産業サービスを主に手がけています。同社は企業や自治体、連邦・州政府、オーナーやテナントに対して直接サービスを提供すると同時に、ゼネコンやシステム供給業者の下請けとして工事を行うことも多いです。
主要な顧客は商業施設、製造業、ハイテク、医療、公益、政府機関など幅広い業種で、産業サービスは精製所や石油化学プラントに直接提供しています。同社の収益構造は工事が中心で、2024年は工事が約67%、建物サービスが約24%、産業サービスが約9%を占め、売上の約97%が米国、約3%が英国で発生しています。
事業は大きく電気工事・機械工事の建設事業、施設の維持管理やエネルギー効率化を含む建物サービス、プラント向けの産業サービスに分かれています。同社は設備の設置・改修・定期保守、エネルギー管理や省エネ改修、空調・照明・水回りなどの技術サービスに加え、清掃・警備・緑地管理などの運営サービスを地域ごとに組み合わせて提供し、持続可能なエネルギーや排出削減への対応も強化しています。
経営方針
同社は持続的な売上拡大と株主還元の両立を目指しています。事業構成は2024年において電気・機械工事等の建設事業が約67%、ビルサービスが約24%、産業サービスが約9%を占め、売上の約97%を米国市場で稼いでいます。成長資金の配分では買収を積極的に活用しており、2024年は7件で約2億3,110万ドルを投じ、また株主還元では四半期配当0.25ドルの継続と、総額2,650百万ドルの自社株買い枠(2024年末残余約259.5百万ドル)を通じた資本配分を行っています。発行済株式数は45,472,621株(2025年2月24日時点)で時価総額は約108.17億ドルです。
同社は重点投資分野としてエネルギー効率化や設備の長期保守、建物の自動化・制御、産業向けのデジタル化に資金と人員を投入しています。具体的には省エネ改修や建物の空調・照明・配管などを一括で管理するサービスの拡充、部材を工場で事前生産して現場で組み立てる方式(プレファブ)や、設計・施工の3次元データ活用による工期短縮と原価管理に重点を置いています。約40,400人の従業員(2024年末)と強い安全文化、社債や保証据付能力などの財務基盤を差別化要素として活用しています。
新市場・事業拡大は買収と既存顧客への提供範囲拡大の両面で進められています。直近の買収は地域的な補完やサービス領域の拡張を狙ったもので、南東部や中部テキサス、北東部などの地域強化や、ビルオートメーションや計装・電気のデジタル統合といった専門領域の獲得が含まれます。加えて、大手顧客向けに複数サービスをパッケージ提供することで案件規模の拡大と長期契約の獲得を図り、オーガニック成長と買収による成長を組み合わせる方針です。
技術革新では、省エネや環境負荷低減の実施、建物自動制御や産業用の自動化・デジタル統合への投資を進めています。設計段階から施工・保守までデータを連携させる取り組みや、空気品質改善やエネルギー監視による運用最適化が具体的施策です。またサイバーリスク管理にも注力しており、経営陣や監査委員会に対する四半期報告体制や、経営層で構成するサイバーセキュリティ委員会を通じて運用・対策の強化を図っています。