DANAHER CORPDHR

時価総額
$1360.9億
PER
42.1倍
ライフサイエンス機器・試薬事業の最大手、2024年12月31日時点で従業員約63,000人。質量分析計や顕微鏡、タンパク質消耗品、プラスミド・オリゴ、ろ過・精製製品を展開。2023年12月にアブカムを約56億ドルで買収。北米・欧州・アジアを中心に世界で展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
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事業内容

Danaher Corporationは、ライフサイエンス、診断、環境・応用分野向けに機器や試薬、消耗品、ソフトウェアを設計・製造・販売する企業です。同社は質の高い分析装置や試薬、フィルターやゲノム関連の製品群を通じて、研究や臨床、産業の現場で使われるソリューションを提供しています。

同社の主な顧客は大学や研究機関、製薬・バイオ企業、臨床検査機関に加え、食品や半導体、航空・発電などの産業分野です。売上は装置本体の販売に加え、抗体や試薬などの消耗品や保守・サービス契約からの継続的な収益が大きな割合を占め、地域的には北米、欧州、アジアで広く収益を確保しています。

事業は大きくライフサイエンス、診断、環境・応用ソリューションのセグメントに分かれ、各セグメントで顕微鏡や質量分析装置、タンパク質関連の消耗品、濾過・分離製品、カスタム核酸やプラスミドなどを揃えています。研究開発投資や買収による製品拡充も積極的に進め、顧客のニーズに応じた機器と消耗品を組み合わせた提案で差別化を図っています。

経営方針

同社は長期的な株主価値の向上を目指しています。2024年の連結売上高は前年並みでコア売上は1.5%減でしたが、買収が売上に2.0%の寄与をしており、外部成長と内部改善の両面で業績を戻すことを狙っています。株主還元では、四半期配当を継続しており(直近は1株当たり0.27ドル)、2024年の配当総額は約7.68億ドルでした。また新たな自社株買いプログラムを設定しており、2024年11–12月に約348万株を平均231.99ドルで買い戻したほか、残り約1,651万株分の買付余力を確保しています。さらに、2025年第1四半期に少なくとも年150百万ドルのコスト削減・生産性改善を見込む取り組みを開始しており、同社はキャッシュ創出と効率化で収益力改善を目指しています。

同社は重点投資分野として診断、ライフサイエンス、バイオテクノロジーを掲げ、研究開発と買収を組み合わせて差別化を図っています。近年ではアッカム(Abcam)買収(約56億ドル)など大型の買収を行い、2024年には既存事業を補完する買収に約5.58億ドルを投じ、これらの取引で約3.05億ドルののれんと4.19億ドルの無形資産を計上しました。同社は製品の品質、サポート網、顧客への総合的なソリューション提供を競争優位と位置づけ、より高い粗利が期待できる差別化製品への投資を優先しています。

同社は新市場開拓と事業拡大のためにグローバルな生産・研究・営業体制の強化を目指しています。2024年には売上の約58%が米国外で生じており、特に北米や高成長市場での拡大を重視しています。資金調達面では、手元現金約21億ドルと商業手形や社債などの市場アクセスを併用しており、買収や設備投資、株主還元を柔軟に行う方針です。ただし買収には規制審査や高い評価額というリスクが伴うため、同社は適切な価格での案件選定と統合によるシナジー実現に注力しています。

同社は技術革新を成長の核心と位置づけ、研究開発(R&D)に継続的に投資しています。基礎研究用の質量分析装置や顕微鏡、遺伝子関連製品、タンパク質消耗品、ろ過・分離技術といった幅広い製品群を通じて、創薬や診断、製造工程の効率化を支援しています。研究開発は北米、欧州、アジアを中心に行われ、外部の研究機関や臨床パートナーとの連携も進めています。これらの投資により、同社はより感度の高い検査や生産効率を高める技術の早期提供と、持続可能性を考慮した製品開発を目指しています。