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DOMINION ENERGY, INCD
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事業内容
DOMINION ENERGY, INCは米国東海岸を中心に電力と天然ガスの供給を行う総合エネルギー企業です。同社は発電所の運営、電力の送配電網とガス配管網の管理、加えて原子力や天然ガス、太陽光などを含む発電資産の保有・運営を主力に事業を展開しています。
同社の主要な顧客は住宅や商業、工業の一般需要家に加え、卸売市場や契約による大口顧客です。収益は主に規制電力事業の料金収入と、契約ベースの発電収入、インフラ関連の取引や資産売却などから成り、規制当局の認可や契約条件が収益に影響します。
事業は主に「Dominion Energy Virginia」「Dominion Energy South Carolina」「Contracted Energy」の三つの運営区分で管理しています。発電(原子力・天然ガス・再エネ)、送配電とガス配給網の維持・拡張、そしてエネルギーインフラの開発・売却が主要な製品ラインで、コーポレート部門では資金調達や規制対応、非中核資産の整理も行っています。
経営方針
同社は安定したキャッシュフローと株主還元の両立を成長戦略の柱に据えています。近年は市況変動の大きい事業を整理し、規制事業や長期契約による発電事業へ重心を移すことで収益の安定化を図っています。具体的には、2023〜2024年にかけてEast Ohioの売却(約66億ドル)、PSNCの売却(約33億ドル)など非中核資産を処分し、得た資金で短期借入金の返済を進めました。また、安定的な配当維持(普通株で2024年は1株あたり年間約2.67ドルを継続)や、取締役会承認の下で最大10億ドル規模の自社株買い枠を設定するなど、資本配分は株主還元とバランスを取る方針です。
同社の重点投資分野は送配電網の強靭化、原子力を中心とした発電の安定化、再生可能エネルギーの開発・契約発電(Contracted Energy)です。送電網では州規制を背景とした改修や安全対策に資本を投入し、原子力では定期的な定期検査・補修を通じて稼働率を高めることを重視しています。差別化要因としては、規制された事業の「レートベース」に基づく安定した回収構造と、長期にわたる発電契約や市場での地位を活かした価格変動リスクの低減が挙げられます。2024年のContracted Energy部門は約1,800万MWhを供給し、マージン改善が業績に寄与している点も同社の強みです。
同社は新市場や事業拡大に関しても選択的な展開を進めています。資産売却後の資金を用いて送配電の近代化や太陽・洋上風力などの再エネ案件の開発・取得に振り向ける計画を示しており、実務面では買収後の統合や移行を円滑にするための移行サービス契約を活用しています。例として、石炭・ガスの分野での再編に伴う規制当局への申請・承認プロセスを完了させつつ、太陽光プロジェクト(Hardin II等)の取得やOSW(洋上風力)関連の構造改革を実行しており、成長投資と規制対応を同時に進めています。
技術革新への取り組みでは、サイバーセキュリティや運用のレジリエンス強化に重点を置いています。同社は機密性・完全性・可用性を守る包括的なサイバーセキュリティ・プログラムを運用し、外部機関を含む評価ツールで防御の有効性を定期的に検証、従業員教育も定期実施しています。加えて、年次での年金資産配分見直し(2024年時点で公募株式30%、債券27%、代替投資43%へ変更)や会計方針の透明化(年金評価差異の即時認識等)を通じて財務の安定性と情報開示の信頼性向上にも取り組んでいます。原子力設備の計画的な定修管理や稼働率改善措置も技術面での投資の一部であり、事業の信頼性向上を目指しています。